映画:ファントム・オブ・パラダイス(オペラ座の怪人パロディー版)

”オペラ座の怪人”ファンならいろんな作品を見たり、読んだりするのも楽しいものです。

小説では”ファントム(スーザン・ケイ)”、”マンハッタンの怪人(フレデリック・フォーサイス)”がありますね。読み物としては楽しめると思います。特に”ファントム”はよくぞここまで想像して書いたと感心しますが、いかんせんどちらにも共通するオチが私には受け付けられなかった。ネタバレなんで書きませんが、私的にはファントムを冒涜された感じ。

映画だと、レスリーチャンの”逢いたくて 逢えなくて 夜半声聲”がありますね。思えば、中学生のころから香港映画は好きで、レスリー・チャンのは結構見ました。残念ながら、少し前に亡くなってしまいましたが、彼の作品では、"覇王別姫” ”ブエノスアイレス”あたりはオススメです。彼のファントム映画は、単純に悲しい恋愛ものとして楽しめます。

ここで、オペラ座の怪人のパロディー版の登場!ロックオペラ仕上げになっている作品:"ファントム・オブ・パラダイス”です。

b0021101_16362151.jpg名前からして思いっきりパロってます。オペラ座ではなく、パラダイス劇場の怪人なので The Phantom of the Paradiseです。1974年の作品。監督は、ブライアン・デ・パルマ。”アンタッチャブル”は好きな映画です。こんなのも撮るんだとびっくりしまくってます。二年後にはスティーブンキングの"キャリー”も撮っていますし、なかなか幅広いジャンルをこなす監督さんだったのですね。

歌と声を奪われた作曲家がファントムになり、悪徳プロデューサー スワンと戦う話。歌姫もちゃんと登場します。進行は基本的にオペラの怪人と同じ。ファントムがかぶるのはヘルメット(?)。手紙も出てくるし、殺人も起きる。この映画で中心となる歌は"ファウスト”。悪魔に魂を売り渡した男の話で、実際に悪魔に魂を売り渡した男も出てきます。そういえば、ファウストは"ケンヒル版のオペラ座の怪人”と同じですね。

たまげたのは、悪役スワン。いったい、この人は誰なんだろうとしらべていたら、”ポール・ウイリアムス”という人が演じているのですね。すごい小柄で、子供みたいな大人で気持ち悪いんです。でも、どこかで見たことがあるような顔なんです。しかし、この映画の曲を書いているんですよ。その曲も詩もが結構いいんですね。さらに調べてみたら、彼は音楽プロデューサー兼シンガーであり、カーペンターズの名曲「雨の日と月曜日は」の作曲した人なんですって。もう、ひょえぇぇえぇぇ~~って感じの驚き。これで、この映画の見る目がちょっと変わりました。カルト的人気がでたというのも分かります。

いや~~、まじですっごくぶっとんだ作品です。ここまでぶちこわしてもらうと気持ちいいです。
とにかく、180度違う作品だと思います。買わなくていいから、レンタルで一度は見てください。ただ、ファントムを神聖視(笑)している方は手を出さないほうがいいかもしれません。

ここで出てくるファントムは映画のGB(ジェラルド・バトラー)ファントムとは全然違います。アンドリュー・ロイド・ウェバーのオペラ座の怪人は"愛”を前面に持ってきたロマンチック仕様になっていますからね。少しコミカルな”ケンヒル版”に近いかもしれません。
セクシーじゃないし、かっこよくないし、オタクっぽいし、まじめだし、ダサいし、一生懸命だし。でもね、なんか応援したくなるんです。やっぱり最後は愛のためにがんばっちゃうんです。パロディですが、原作を馬鹿にして作っているわけではない作品です。ラストシーンは、ちゃんとほろりと来ますよ。

5点満点の★★★★かな? 激しくぶっとんだ新鮮さを買いました。
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by the_big_blue | 2005-04-10 16:25 | POTO-JOJ, Gerry