児童文学?: ”ふくろう模様の皿” by アラン・ガーナー

b0021101_1155697.jpgアラン・ガーナーの本を二冊読みました。全く知らない作家だったのですが、妹から面白いよと聞いたので。彼の作品は神話・伝説を素材にして、それを膨らませたもので、両作品ともウェールズを舞台にしています。

ウェールズ自体に関してはほとんど知識がありません。思い浮かぶとしたら、JOJの故郷、たれ目ちゃんの映画”ウェールズの山”、Prince of Walesぐらいかな。

最初に読んだ ”ブリジンガメンの魔法の宝石”は、いまいちだった出だしは面白そうだったのですが、ストーリーが大体想像がつくもの(勧善懲悪もの)だったので、途中で飽きちゃった。ナルニア国ものがたりの”銀のいす”にちょっと似ている。

もうひとつの、”ふくろう模様の皿”は、期待しないで読んだんだけど、結構面白かったというか、すごい話だったという感じ。お金持ちのお嬢と雇い人の息子(ウェールズ人)と、お嬢の義理の兄のおぼっちゃん(イングランド人)が、屋根裏でふくろう模様の皿を見つけたことから話が始まります。子持ち同士の再婚で出来た家族のウェールズでの家族旅行のに、雇い人の息子が絡み、なりたくて一緒に居合わせたわけではない3人が、謎に巻き込まれていきます。出だしはファンタジー調ですが、だんだんホラー、推理、伝奇、人間模様(嫉妬、差別)の交錯した話に。いままで読んだことないタイプの話でした。これは児童文学なの?

だだし、翻訳が非常に読みずらい。昔のなので古くささは仕方ないが、意味不明のところがけっこうある。また、少年が下品なおっさんみたいな口調で話すときがあるのだが、そのニュアンスが掴めない。いまどきの少年の下品な話し方とは違うので、言葉が悪いだけの子供なのか、ホントに邪悪な子なのか、訳が合っていないのかが分からない。読みながらこのキャラはどういうやつなのか悩んでしままった。

しかし、翻訳者を責められないだろう。自分じゃとても原書は読めない。神話、伝承、地域のバックグラウンドが凄く重要な話だから、内容的にかなり難しいし、日本人には限界があるのかも。原作者も翻訳すると言う話をきいて、無理ではないかと言ったそうだか。大人でもよく分からないのに、子供に分かるのかなとは思いますが、子供は違った読み方で読むのかな。ま~、そんなんがあっても、なかなか面白い本だったのです。珍しい児童文学といったほうがいいのかな?

また、私はこの話に描かれている背景に凄く興味を持ちました。ウェールズって、おもしろそうな(妖しい)所みたいだし、ウェールズ人ってかなり癖ありみたい。一般的にはどういう人たちだと思われているのかなぁ。無骨?野性的?小説の中には、金持ちと労働階級、イングランド人がウェールズ人に感じる優越感、英語とウェールズ語、閉鎖的な土地、といったものがでてきますが、それがわかってこそ、本当にこの話がもっと楽しめるかも。ここでは、イングランド人とウェールズ人は外国人どうしなんだよね。むか~しグラナダテレビ(ホームズのシリーズもこれだったよ)が、ドラマ化したそうです。見てみたかったなぁ。

やっぱりイギリスって面白いわ。
[PR]
by the_big_blue | 2005-11-11 12:04 | Entertainment