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おすすめ本: ”ひと月の夏”

天気の悪い日、あまり心が晴れない時、暖かい紅茶を飲みながらのんびりと読書でもしたいなと思われたらお奨めの本があります。何か事件が起こるというわけではないのですが、気持ちがゆったりと暖かくなる小説です。そういう私は、こんなことかいてるのに矛盾しておりますが、これを痛勤電車の中で読みました。おまけに土曜日だってのに出勤日なのですけどね(苦笑)。


”ひと月の夏” (J. L. カー作/小野寺健訳/白水Uブックス)

<本の紹介より引用>
”1920年の夏のある日、英国ヨークシャーの田園の小駅に一人の若者がおりたつ。村の教会の壁画修復にやってきた彼は第一次世界大戦で心に深い傷を負っていた。ただ、飾り気のない村の人々との交流が堅く閉ざされた彼の心を次第に開いてゆく。静かな村での主人公のひと夏の愛と友情をやわらかな筆致で描き心にしみる名品。”

上の紹介文で本の魅力をほとんど語られているのではおりますが、もう少し情報を。

原題は ”A month in the country”
1989年の映画化にあわせて翻訳が出たそうです。翻訳も読みやすく、読むのに丁度よい長さです。翻訳者によれば、それほど特徴がある本ではなかったため、いずれ埋もれて忘れさられてしまう作品かとおもいきや、長くロングセラーを続けていて文庫化されたそうです(納得!)。
1980年にガーディアン賞を受賞しており、同年のブッカー賞の最終候補にもなったそうです。この作品で注目されるまでは、この作者は無名だったそうで、それ以来注目されるようになりペンギンブックスにも4作品が入っているそうです。

そもそもこれを知ったのは、”コリン・ファース”のでていた”ひと月の夏”という映画が、隠れた名画らしいということを知って、原作を読みたくなったからです。日本未公開映画らしいのですが、ケネス・ブラナーも出ております。最近日本でもDVD化されたので、アマゾンでも手に入ります。まだ見ていないけど、これも"高慢と偏見”とともに見たい作品です。
by the_big_blue | 2005-05-07 13:47 | Entertainment